REITの不動産鑑定は、当局の意図や経済学的な目的など、いろいろな観点から存在意義がある。REIT大国・米国と異なり、それまでまったくなじみのなかったREITという投資形態をわが国に広めるにあたり、当局はまず投資家保護という視点に立ち枠組みを構築した。その中に不動産鑑定が組み込まれた。オーストラリアのREITには、鑑定が2つの目的で組み込まれている。まず、物件取得時に鑑定内容が目論見書に明記される。
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運用中の物件に関しても3年ごとに再鑑定が行われ、その情報が開示される。親会社から物件を取得する場合、第三者による鑑定を取り、それを監査法人が蜜査して報告書を作成する。両者はともに投資家に開示される。J−REITの鑑定は、オーストラリアのREITにおける鑑定の制度と非常によく似た仕組みである。投資家にとって、REITの鑑定の意義は何だろうか。取得価格の正当性を証明し、投資判断として重要なNAV(公表純資産額)の参考値として活用されるということは、投資家には十分に意義のあることだ。これに加え、私が投資家にとっての鑑定の意義として挙げたいのは、対象不動産の将来収益の予測、不動産マーケット変化の予測に活用することである。