定借住宅でいちばん不安視されているのがスラム化の問題だ。土地付き分譲の一戸建てやマンションは、文字通り「自分のもの」なので、きれいにリフォームしながら住むが、定借住宅の場合は、「どうせ壊すんだから」という意識が強いため、残存期間が短くなるとカネを惜しんで手を加えなくなる心配があるのだ。それでも一戸建ての場合は、定借とはいえ独立した住空間なので、土地付き分譲ほどではないにしろ、「自分の家」という気持ちがあるから、ケチりながらも住める程度には手を入れるだろう。
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何もしないで荒れるがままに放っておくことはないと思う。問題はマンションで、土地付き分譲でさえ修繕計画を進めるのはたいへんなのに、50年後に取り壊すのがわかっている定借マンションにはたしてどれだけの人がカネを出してくれるのか。よほど管理組合主導で強力に修繕計画を進めないと、築50年どころか、築30年もたたないうちにスラム化か始まり、残存期間が10年になる頃には誰も住まないゴーストーマンションになっている恐れもある。