農地を含む「土地」一般について、近代的な「所有権」が認められるのは明治維新後になります。その起源は、国(中央政府)からの「地券」の交付による所有者の確定です。明治政府は、当時の租税の中心であった「地租」の収納を確保するために、本百姓を中心に「地券」を交付しました。そして「田畑永代売買禁止令」は解除され、農地の自由な利用「田畑勝手作り」を認める御触れを出します。「地券」の交付によって確定した農地の所有者は、その土地を自由に「使用、収益及び処分をする権利」(民法第二〇六条、所有権の内容)を得たのです。並行して都市部の土地についても、幕府や藩から直接与えられた武家地などと、詰券による売買が行なわれてきた町方の土地について、それぞれ「市街地土地調査」が実施され、所有者を確定する「地券」が交付されました。その後、土地の登記制度なども徐々に整っていき、今日とほぼ同じ近代的な土地所有制度ができてきました。そして同時に、「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」(民法二三九条二)と定められました。2008年の住宅・土地統計調査の市部人口割合は90パーセントに達していますが、明治初期の市部人口の割合は10パーセント程度です。1881年の地租改正(3から2.5パーセントに引き下げ)時の統計では、全国の地租総額4900万円のうち、200市街地(町)の占める額はわずかに2パーセントで、98パーセントはその他の「村」でした。今日と比べると、人口比でも土地の価格でも、農村の比重が圧倒的に高かったことがわかります。
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